ランチパック卵を俺は抱く
ヤマザキランチパックにはたくさんの味がある。
しかし、ランチパックで1番美味いのは「たまご」だ。間違いない。
俺はランチパック「たまご」味をずっと抱き続けた。他の種類のランチパックには興味がなかったのだ。
若さゆえ、一晩の過ちをシーチキン、ピーナッツと共にしたことがあるが、それ以外のランチパックとは街で会っても目を合わす程度で、何の火遊びもしたことはなかった。
しかし、この前酔った勢いでランチパック「甘熟バナナクリーム&ミルククリーム」味を抱いた。
美味かった。
サラッとした肌触り、柔らかい噛み応え。「たまご」を抱き続けた俺には刺激が強すぎるほどのみずみずしさであった。
その日以来、俺は「たまご」を抱けなくなった。俺にとって「たまご」は過去のものになってしまったのだ。
それからというもの、俺は荒れた。色んなパックとランチした。
「ミルククリーム」「つぶあん&豆乳クリーム」「とちおとめ苺ジャム&ホイップ」
甘い夜だった。
「キャベツメンチカツ」「ロースハム」「お好み焼き風味」
濃い夜だった。
行きずりのランチパックとただ、ただ、機械的な食事を済ませていた。自然と生きる活力が減っていっている。そんな気がした。
酒に飲まれ、金でランチパックを買い、残るのは寂しさだけ。そんな日々を過ごしていた、居酒屋でのある晩だった。
たまご「大丈夫?」
俺「その声は、、」
たまご「本当にだらしないのね」
俺「た、たまご。」
ーそこには、大人の色気を持つたまごがいた。完熟たまごだった。たまごは完熟たまごになっていた。
たまご「何があったのか知らないけど、一杯、どう?」
俺「悪かった。」
たまご「悪かったって、なんのこと?」
俺「俺は、たまご。お前がいながら、他の、、」
たまご「oh!ランチパック!!」
俺「たまご、、」
たまご「いいの。のみましょう。」
ーその夜、俺は「たまご」を食べた。
とても美味しかった。俺はたまごをこれからも、そして永遠に食べ続けようと思う。
みたいなことが昨日ありました。
ランチパックはたまごが1番美味い。